催事で豆大福買ったらカッチカチと言う不幸

こんにちは。imoimoです。
てきとーな製作をやっております。
先日、闘病中だった一番上の老婆猫仔が亡くなりまして。誰かの参考になるかもね、とまとめております。
そんなわけで作業は一時中断。
悪性リンパ腫は高齢猫に多い病気の1つだそうで。胃の出口辺りで発症したから消化器性のもの。これまた割とメジャーなものの様です。
人間と同じで、なってから慌てるパターンよね。世間の記事には綺麗事みたいなものが多いから、下世話というか現実的な参考になればとおカネの話とかも含めて記録しております。
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1.8kgとガリガリになってお正月を迎えられないかなぁ、と思われた老婆。吐き気止め・皮下点滴・ビタミン・制酸剤・粘膜保護剤の毎日投与で食べられる様になり、体重も2kgオーバーまで戻しました。
それならば抗癌剤をやりますか、とロイナーゼ第一回。これがちょっと無いくらいに効いて、かなり元気になりました。
投薬すると一時的にバイタルがガクッと落ちるよと言わるていたけれどどこ吹く風。よほど相性が良かったみたい。
固くなっていた胃壁も柔らかくなって来て、こりゃあ桜を見れるかもねと言うムードになりました。
このまま治るんじゃないかと思ったくらい。
セオリー通りに3週間後に第二回の抗癌剤。初回ほどでは無いけれど、副作用もなくよく食べます。
このまま攻めよう、と打った第三回。それが先月の事。
今回は様子がガラッと変わって、直後から危篤みたいになっちゃった。
クスリの副作用なのか、アナフィラキシーなのか。とにかくこれはヤバいゾと言う状態。
血液を調べると重度の貧血。歩けないばかりか、脚が変な方に曲がったりとにかく全身グニャグニャになっちゃいました。
貧血は
怖いねぇ。
哺乳類は赤血球が体に酸素を届けて、生命活動の燃料を供給しているわけだけど。貧血が進むと電池が切れかけたオモチャみたいなもんで、何もできなくなっちゃう。
力も入らないし、脳みそも働かないから意識も薄くなって。そうこうする内に細胞が死に始めるだろうから、脳が止まったりはたまた多臓器不全みたいになって死んじゃう流れかなぁと想像できます。
人間でも同じようで。
知り合いが以前どうもボーッとして力が入らない、と言う症状が暫く続いて。かかりつけ医も原因が分からず日が経っていたのね。
その人の親友が無理矢理エラい先生の所にぶち込んだら、心臓の中の弁が腐って心臓は動いても血液が殆ど送れていなかった。要するに重度の貧血よ。
緊急手術で一命をとりとめたけれど、なんか力入らないなぁってホゲッとやっていたら静かに死んでいたかも知れません。
貧血。馬鹿にできない。
貧血にもいくつか種類があるようで。
鉄分が足りないパターンは、鉄分を投与すればなんとかなりそう。よくあるアタシ貧血なのみたいなヤツの事みたい。
他のは赤血球が減っちゃうパターンの様で、赤血球は人工的に作れないから本人に頑張ってもらうしかないのが現状の様です。医学にできるのはお助けぐらいなのかも。
老婆の場合は、患部の潰瘍がずっと出血していて。
面的に潰瘍があるからじわじわと血が滲み出ている状態みたい。
映画「ルパン三世 カリオストロの城」(→Wikipedia)で、撃たれたルパンが暫く昏睡していて。意識が戻った後「血が足んねぇ」みたいになってジャンッジャン肉持ってこーいのシーンがあるけれど。
老婆の症状も同じ様でした。
ドクターの判断は、一か八かな顔つきで輸血。
輸血って
カンタンに言いますが。人間と違って猫界では血液のストックなんてありゃしません。
ドクターの家の猫は先日輸血したばっかりでまだドナーになれない。
おいそれとお隣の猫ちゃん貸してね見たいなわけにも行かないし。
物凄く言いにくそうにドクターが言ったのは
二番目の巨大児差し出して。
そうだよね。輸血するには誰かの血が必要。あまり考えていなかったわ。
もう12歳だからホントは輸血適齢からは外れているけれど、二番目の巨大児は8kgあるからね。しかも元気。
本人の意思を確認する事も出来ないので飼い主の独断で緊急輸血プロジェクトを行う事にしました。
輸血はリスクも色々あって。
まずは血液型。
猫の血液型は3種類。A型・B型・AB型。O型はいないんだって。殆どの猫はA型。AB型は非常に稀。
因みに犬の血液型は10数種あるそうです。
幸い、老婆も巨大児もA型。月並みが幸いしました。
次が麻酔のリスク。
動かない様に静穏剤や麻酔を投与するけれど、ショックになる仔もいるからリスクはあるのね。
3%ぐらいあるらしいから結構リスキーじゃないの。
ともかく。老婆と巨大児、10年来の付き合いだし二人並んで輸血開始。
巨大児もちゃんと麻酔から目覚めて無事輸血成功と相成りました。
1日入院して帰って来た老婆の変わりっぷりがビックリ。
昨日まで立てない、足の関節も曲がったら元に戻せないくらいにぐにゃぐにゃだったのが。
いきなり走る、ジャンプ、そして猫パンチ。
病人とは思えない復活っぷりです。
ホント血液、て大切。
巨大児は大功労賞。帰宅後は血を取られたもんだから肉、肉ジャンッジャン持ってこーい状態でした。ルパンかっ。
問題は
輸血はそうそう何度もできないって事。
血液型が合っていても、遺伝子レベルで同じわけではないので二回目以降は免疫に攻撃されたりアナフィラキシーになったり固まったりする確率がぐんと上がるそうで。
輸血のパワーにはホント驚いたけれど、言うなれば最後の手段ね。
あ。因みに輸血はやはり二頭入院だし検査もあったりで10万くらいかかりました。
胃の中の出血は止まっていないから、いずれまた貧血になる事が予想されます。
胃で出血していると、ウンチは黒くなるのね。吐く時も茶色から酷い時は真っ黒。
抗癌剤で腫瘍が拡がるのは遅くしたけれど、治るスピードよりは速いからやっぱりじわじわと出血は続きます。
そこで、止血剤を投与する事にしました。
なんで最初から止血剤を投与しなかったのかは分からないけど、大抵の薬は作用の他に副作用があるからいい事ばかりではないみたい。
3週間スパンの抗癌剤を2週間で打とう、と言う作戦にしたけれど。
輸血から2週間。やっぱり段々貧血になって来て、食欲も落ちて来ました。
ここで抗癌剤を打ったら体力が持たないと思うとドクターと相談して抗癌剤は延期。
次の週も元気は落ちて。食べなくなって来ちゃった。
巨大児の輸血パワーは10日くらいの復活劇だったかな。
3週目の抗癌剤予定日前日。
衰弱してちょっと無理だから、再度延期しようと言う話になりました。
病院から返って来たのは夕方。
水を飲もうとしても水入れに顎を載せてクタッとしたまんま。落ち込んでいるスヌーピーみたいな姿勢です。
こんな感じ。
夜日付が変わった頃、吐くなと思ったら血ぃ吐いた。
これまでの黒いゲーではなくて赤い血玉。
少し足も痙攣したけどこれはすぐ収まって。
翌朝は4時に朝ご飯だけど、他の二頭は起きて来ても老婆は寝たきり。
注射器のシリンジで水を口に運んでも呑み込まずにダラーッとこぼれちゃう。
6時頃に痙攣を起こして。
途中一度呼吸が止まったけれど持ち直して。
貧血で衰弱して行っているからか、特に騒いだり暴れたりもがいたりも無く8時11分に瞳孔がじんわりと散大。
当初の作戦の通り、苦痛をできるだけ抑えて最後の時期を過ごすと言う老婆の予後が終わりました。
東京では
裏山とか林とかお庭とかはもうなかなか無くて。
そうそう埋めてお墓を作るわけにも行きません。
動物葬をやってくれるお寺さんに連れて行って荼毘に付してもらいます。
個人的には墓とかそう言うのあんまり得意じゃないタイプで、親の墓ももう何十年も行っていないや。
と言うわけで一番略式の合同葬をお願いしました。
ペット大好きな方からは叱られそうですが、葬儀代は18000円でした。地味葬。
残った
二頭のメンタルがちょっと問題。
ここ3カ月ほどはあからさまに不公平な扱いがあったし、子猫の頃から完全室内飼いなので死と言うものを目にするのは初めて。
巨大児は、どうして老婆が動かないのか理解できない様でしばらく動揺していました。
一番下のチビは無関心。それでもここ最近の不公平のストレスで結構荒れ気味です。
火葬から帰って来て2日目。
老婆が出かけたきり帰ってこないのが不審な様で、巨大児はあちらこちら探して歩きます。
そんなに仲良しだったけ?と突っ込みたいけれど、こりゃ暫く彼らのケアをしてあげなくちゃね。
下世話な事を言うと。結局用意した100万の内、今回の闘病3ヶ月ちょっとで60万くらいを使いました。
何もしなければ恐らく12月に脱水による衰弱で逝ってたと思います。
その後の治療でも、輸血はできない事の方が多いだろうから3回目の抗癌剤直後の貧血が寿命。受診後から考えると予後は2カ月半くらいね。
巨大児に血を分けてもらった後の3週間はプレゼントみたいなものだったと思います。
トータルで考えると、良かったかなと言うのが今の感想です。老婆も、巨大児も、ドクターも、みんな頑張りました。
そんなこんなでお粗末様でした。
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