東京にいると、結構タレントさんとか見かけるのだけど、会いたい人にはなかなか会えないもので。
こんにちは。imoimoです。
さて、最先端のフルデジタルシンセDX-7と「キーボードも目立とう作戦」の最終兵器KX-1を手に入れるべくジャラ銭だけを持ってイシバシ楽器様に乗り込んだ少年imoimo。
開店直後にキーボード売り場に到着。垂涎のDX-7の周りを虎のようにうろうろしつつ、店員さんに声をかけようとした、その時
ゾロゾロと店員さん全員を引き連れたガイジンさんが入って来たのでした。
う~ん?見たことあるぞこのガイジン?
のキーボード、アラン・フィッツジェラルドでした。このジャケットの真ん中の髭のお方です。
Don’t Tell Me You Love Meや(You Can Still) Rock in Americaが有名。当時ヒットを連発して時の人だったNIGHT RANGER。来日してたのね。
そして一団はまっすぐ少年imoimoの方へやってきます。いや、サインだなんて、そっちの方が有名だし…と勘違いする少年imoimo。
…店員さん集団の圧に負けてポイとDX-7の前から押し出される少年imoimo。大御所もお目当てはDX-7。imoimoはお肉にたかるハエの様な扱いだったのでした。そりゃそうだ。どう見たって冷やかしの小僧だからね。シッシッて感じ。今日は買うのに~っ
あーだこうだ質問したり交渉したりの大御所に待たされること90分。ようやく大御所は引き揚げて行かれました。大御所にもシンセは大きな買い物なのね。
ようやく少年imoimoの番になり、丸腰imoimoは結構不機嫌に当時の大金50万弱のローンを組んでDX-7とKX-1を発注したのでした。大きい買い物にしては気分はちっとも高揚せず。普段なら高額客だからヨイショの一つも言う店員さんだけど、完全に大御所の邪魔したゴミ対応。こっちも今日はちゃんと買ったのに…
で、何はともあれ買えたわけだけど。よくそのローン審査通ったな。さすがはバブル前夜ですな。
そんなこんなで予定よりも大幅に遅れてイシバシ楽器様を後にした少年imoimo。実は当時まだ学生で、これ休むと留年決定、て言う授業が午後にあったのですが、大御所による遅延で間に合わず、結局留年確定。機材代金+1年分の学費と言う超高額なDX-7と相成りました。
どうせNIGHT RANGERに会うならジャック・ブレイズかブラッド・ギルスがよかった。
後日談→
とうとう手に入れたDX-7+KX-1の初お披露目ライブ。
どうして、KX-1にこだわったかと言うと、ベンドがリボンコントローラーだったから。これで何ができると考えたかと言うと
「キーボードライトハンド奏法」
阿呆ですね。とは言え、当時ロック界ではタッピングが流行り。ランディ・ローズが弾いたオジーの”Mr.Crowley“でのライトハンドのソロフレーズが恐らく世界一有名なソロ(主観)。例の大御所NIGHT RANGERのもう一人のギター、ジェフ・ワトソンも、Rock in America でエイト・フィンガー・タッピングをお披露目して一躍ヒーローでした。
で、この見た目最強なライトハンド奏法をキーボードでもやりたい、て言うのがそもそもの動機で、手順は
キーボード弾く→ホールドして発音しっぱなしにする→リボンコントローラ―でピロピロやる 作戦でした。
ところが、リボンコントローラ―は、わずか10cm弱の長さに1オクターブのベンド幅があるわけで、このわずかな幅で正確に音程が決まる位置にタップをするのはバイオリン以上の難易度G。でも強引に目立ちついでにソロの時にやったわけ。ここだけは結構練習した、け。
まあ、結果はテープを聴く気にもならない出来でしたが、それよりも誤算だったのは、目立った挙句のお客様の声
「小人プロレスみたい」
そう。少年imoimoは背が低かったのです。向谷実さんは結構身長あるから、KX-1背負ってもサマになりますが、小柄なimoimoがベースよりもでかいショルダーキーボードを持つとサイズ感が滅茶苦茶だったのね。演奏ではなく格闘。
かくして、この1ステージだけでKX-1は売却となり、ローンだけが残りましたとさ。
ただ、練習嫌いな奴ほど曲芸弾きにあこがれるわけでして。その後もチョッパー弾き(国際的にはスラップて言うんでした、け?)が流行ったときにギター・ベース・キーボードでトリプルチョッパーやろう、てんでピアノの弦と格闘したり懲りない少年imoimoなのでした。
そんなこんなでお粗末様でした。
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