「真実は1つだ!」と言うテレビに「いやっ1つなのは事実の方だ~」と屁理屈をこねるのですが。
こんにちは。imoimoです。
トラックを増やして行くと、聞こえていた音が何やら聞こえなくなったり、音のイメージが変わったり。これしょっちゅう起こりませんか?
1トラックだけで聴くとちゃんとピアノなのに、全トラックで聴くと木琴みたいになったりとか、鳴らしたい音がかき消されていたりとか。
基本的に人間の感覚てのは差分で処理してる、て言うか、変化で知覚するようになってるからなのかなーなどと思うわけです。
プロの方々はこの辺りをよく分かっているからアレンジやミキシングでここにちゃんと手を打つのですね。でもそれは結構難しいジャンルで、ゆるーくはやれないわけで。学校があるくらいですからね。
そんなこんなで、手っ取り早い対策をimoimoなりにまとめておこうと思います。あ、セオリーとかは無視ね。
(1) 定位を変える
単純に、L/Rに振るだけでも、音がバラけて、人間に聞き分け易くなります。でもこれ、てMONO再生したら元も子もないので、少しオートパンとかで動かす手があります。揺らぎが出る事で変化を知覚させる作戦。
(2) 出音からピークのタイミングをずらす
生音が元のサンプラーやロンプラーの場合は、自ずと厳密な出音からピークまでがちょっと遅れるのですが、シンセ系だと出音とピークが結構近くて、アタック系のパートがみんな重なっちゃう。融通が効かない感じ。
だから、そんなときはどれかのパートをちょびっとだけアタックタイムを伸ばしてピークを遅めに持ってくると、音がバラけて聞き分け易くなります。
同様に、同じメロディーをレイヤー的に異なるVSTインストで出音させる手もあります。
もう一つは、トラックごとの微妙なレイテンシーを逆手にとってずらすとかね。
(3) 敢えてノイズを足す
シンセ系の場合、ちびっとノイズを足すと、分離がかえって良くなります。
ホワイトノイズ、てのは定義的に全ての周波数が均等にあるので、倍音成分がたっぷりなのね。雑音、て大切。
(4) 重なる周波数帯を切る/リバーブを切る 切って切って切りまくる
スペクトラムアナライザーをかけると、鳴っている音の倍音成分が目で見られます。てきとーに作って行くと、だいたい500Hz~1kHzあたりのどこかにもこっと山ができちゃう。ここが団子の正体と考えるわけです。
パートごとにスペアナで確認して、もこっとしている所をイコライザーで抑えてみる。音色変わるけれど、まとめて鳴らすと結構よくなる事多いです。抑えた分、上の方を少し上げると結構分離が良くなります。
同様に、トラックにかけたリバーブも、ゲートとかで終わりを短くすると余分な周波数成分が残らないのですっきりします。ソロで聴くと快感でも、全パートで鳴らした時に邪魔になるパターン多々アリ、て話。「そう易々とはリバーブかけないゾ!」ぐらいの決意が重要。ま、かけちゃうけど。
(5) 余分な音を加える
例えば、フレーズの出だしに短い2度下や5度下の音をチビっと付けちゃうとか、あえて後ノリになるくらいの遅れを付けちゃうとかするだけでも大分はっきりします。
ここからは、簡単だけど後々厄介になりがちな対策シリーズ
(6) 1回返しのディレイをかける
アナログの頃、ヴォーカルを表に出すのに多用された手法ですね。
(7) ゆるくフランジャーかフェイザーをかける
揺らぎが出るので人間に聞き取りやすくなります。
(8) トランジェントシェイパーをかける
アタックが強調されるのでメリハリがつきます。
(9) エキサイターをかける
高倍音が加算されてヌケが良くなるので聞き取りやすくなります。
(10) 普通にマキシマイザーを使う
ま、そのためのエフェクターみたいなものですからねぇ。
…取り敢えず的な対策は、こんな感じで大分改善すると思うのです。
考え方としては、音が聞き取りづらくなると本能的に何かをデカくしようとしたくなるのだけれど、後々困らないためには、聞き取れない原因を取り除く方が有効なようです。足し算よりも引き算の原理。
根本的には、きちんと和声学とかを学んで、訓練を積んで、音響工学を学んでミキシングを練習しなくてはいけないのだと思いますが、練習以上にこれはイヤですな。何分ボケなければ良いだけなので。
まぁ、簡単なのは足し算なんですけどね。ここは我慢と諦めが求めらるてぇわけです。世の中世知辛いですなぁ。
そんなこんなでお粗末様でした。
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