シンセの音作りの基本のキをまとめてみたら意外な事実も出てきた話

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遠い昔、シンセにはプリセットはもちろんのこと、メモリー機能もアルペジオもありませんでした。リバーブ?何それうまいの状態。そりゃルバーブだ、て。

こんにちは。imoimoです。

最近のシンセはホント、様々なアイデアで音作りができるものが多くて、それはそれで楽しいのですが、結構プリセット頼みになりがちで、人気のあるVSTは「即戦力のプリセット」がたくさんある事が多いです。

もともとの音データとかがあって、それを加工するもの。いわゆるサンプルプレイヤー

例えばコレ。SampleTank3ですね。でもこれ追加購入あるから要注意。ゲーム内課金的。お値段は良心的です。

2020.3.18 追記

SampleTankはVer.4になって1年ほど。とうとう無料版のCustom Shopもリリースされました。

タダでも50種類のライブラリが入っています(→ダウンロード)。

 

例えばコレ。TUNEFISHですね。こっちはサンプルじゃなくてウエーブを加工する。結構好き。やや難解です。

素材の掛け合わせで音を作るもの。

これがそうかと言うとちょっと微妙だけど難解な方のシンセZebralette

もとの波形を歪ませて音色を変えるもの。

例えばこれ。PD方式のDIGITSですね。

などなど。

仕組みが様々で、覚えるのも一苦労。そりゃゆるーく曲作るには選んだ方が早いです。下手にニンニクと生姜炒めるところからカレーを作るよりレトルト買う方が早いのと同じ様なもの。

とは言え、やっぱり音を作る場面てのはどうしてもやってくる物で、そんなときは伝統的な作り方のできるVSTがわかりやすいです。

伝統的と言えばMoogに代表されるVCO・VCF・VCA+ADSR・LFOタイプのものがひとつ。

多分一番メジャーな無料VSTシンセのSynth1ですね。超すぐれもの。

もう一つは名機DX-7に代表されるFMシンセではないかと思います。

多分一番使うDEXED。DX-7エミュレータですね。

基本のキとしては、やはりMoog方式が理解しやすいのでまずはこれかな、と。

シンプルな構成のOBXD。名機Oberheim OB-Xのエミュレータですね。使っている人多いんで探すとプリセットもたくさんあります。

音を音程・音色・音量に分けて考えて、それぞれの時間的な変化をコントロールしよう、ていうのが基本的な発想で、それぞれをVCO、VCF、VCAが受け持っています。

時間的な変化の、一つの音の鳴り始めから鳴り終わりまでを決めるのがADSR。EGとも呼びますね。で、途中で揺らぎやビブラートみたいに周期的な変化をつけるのがLFO的な役割。

セオリーとは違うけど、まずはVCOの波形をノコギリ型のにして、VCAはADSRのAもDもRもゼロにして、Sだけ上げちゃう。ブーって言う音を鳴らしてスタート。

VCFはとりあえずLPFにして。

鳴らしたい音を口真似してみる。「あ」みたいに口が大きく開くところはVCFのcut off FRQが高め。「む」とか「ん」みたいに口が小さい閉じるところは低め。この動きをADSRでやってみる。

「みょん」みたいな「や」行チックな音にしたいときはresonanceを上げる。

大体の音色変化ができたら、音量いじる。出始めが「ん」とか「ぅ」とか静かな感じだったらVCAのADSRのAを上げる。「カーン」的な打撃的な感じだったらSを真ん中へんにして、Dを上げる。余韻が欲しければRを上げる。て感じ。

こんなんで大体できたらVCOの波形を変えてみたりVCFのフィルタータイプをBPFとかに変えてみたりで感じをつかんで行きましょう。ちなみにHPFはLPFの逆さま的なものなので、音質の変化とかが逆立ちします。

とか言って、基本的な事として理解していたのですが。

FlexClip

冨田勲先生の講演のビデオで、先生が口笛の音を作って見せるのですが、まず元の音はピンクノイズ。これをVCFでresonance超上げて共鳴させて、その周波数をキーボードのCVで変える、て作り方。全然違うやんっ!基本のキだったら三角波とかをBPFで細~く丸~くするんじゃなかったっけ?

この作り方は、まさにシンセで口笛の発音機構をシミュレートしているわけで、そりゃリアルにもなる、てぇもんです。この作り方の根底には「倍音」と言う概念があって、言い古された「音程」「音色」「音量」とは大分考え方が違うわけです。特に「音色」の考え方。とは言えパイプオルガンもこの考え方で作られていますから、決してポッと出な概念なわけではありません。

VCF・VCA方式の考え方は、基本的には元のVCOの音から倍音を削って行く、と言う彫刻の様な考え方で作るのですが、「倍音」に注目する考え方は例えばバルーンアートの様に元の形をねじったり細かく区切ったりして形を作る考え方や、綿菓子みたいに軸の周りに巻き付けてゆくような考え方。これ口真似できないんで難解なんです。DX-7に代表されるFMシンセはこの考え方で音を作るわけなのですが、とっつきにくいと言われる所以でもあるわけです。

先日出たこの本(電子版のみです)は、この「倍音」に基づいた音作りを恐らく歴代最強に優しく解説してくださっています。有難うございます。買って損のない1冊でした。

超オススメの本です。勝手にリコメンド。

FMシンセのあたらしいトリセツ 高山 博著 リットーミュージック刊

そんなこんなでお粗末様でした。

DAW/VST
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